第153章 若い者には負けられない

ほどなくして、橘結衣が完全に主導権を握り、二宮遥人は受けに回るしかなくなっていた。

二宮遥人の顔には焦りがにじむ。

橘結衣が指先を小さく動かす。飛車を横に滑らせ、一気に底の角を刈り取った。

二宮遥人の顔色が、すっと白くなる。

「爺さん、また負けるよ」

最後の一手。橘結衣は駒を引いて――王手。

勝負は決した。

橘結衣は二宮遥人の手元から腕輪をひょいと取り上げる。

「はい。二宮家の代々の腕輪、もらった」

二宮遥人は呆然としたままだった。こんな結末、想像すらしていない。

将棋を何十年も指してきた自分が――この小娘に負ける?

まさか、本当に世代交代ってやつか……。

自分はもう...

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